MASTER-PIECE 僕らがイマ、欲しいモノ VOL.14

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僕らが普段、何気なく身に着けている柄。この柄一つひとつに目を向けたことはあるだろうか。身に着けるモノの背景を知ることで、単なる外見の嗜好だけでなく内面の理解や愛着も生まれてくる。社会情勢が変化し、モノの求め方が変わりつつある今、手にするものに対しての歴史や背景に思いを馳せることも、今の時代、必要なのかもしれない。1797年にスコットランドで産声を上げた<Johnstons(ジョンストンズ)>。創業時から現在に至るまで天然繊維を原毛の状態からすべての工程を経て完璧な完成品に仕上げるという卓越したクラフトマンシップから、カシミヤと高級ウールのエキスパートとして世界を牽引してきた。エステートツイードの製造者としてロイヤルワラントを授与されていることからも、巻物の最高峰と言っても過言ではないだろう。この別注モデルである4つの柄も、元を辿るとすべてスコットランド発祥のタータンチェックに行き着く。ウィンザー公が英国王子だった頃によく愛用していた“グレンチェック”、密かに罪人の見張りを行う軍警察に与えられた“ブラックウォッチ”、1830年頃にスコットランド貴族に深く関係していたスチュアート家の為に制作された“ブラックスチュアート”、米国の狩猟クラブであるgun clubのメンバーが好んで着ていた“ガンクラブチェック” 。本来家柄や特定の地域と結びつき、それを表すために生まれたタータンが今、この時代に生きる僕らを虜にしている。背景を理解し、愛着が生まれたモノは、僕らにより豊かな時間を与えてくれるだろう。

Photographer: Kengo Shimizu

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